りあなのおめぐみ
レッドストーンのシュトラ鯖(元雷鯖)で脳天気に走り回っている運テイマ(?)の思いつきマイペースブログです~。(゚▽゚*)ニパッ♪
古代王の墓 後編その2 ~ いつか輝く光に ~
後編その2でっす!
3回戦と4回戦になります。
今回も個性的な敵キャラが登場します。
そして、なぜくらりすとすてあがこんな事をしているのか
そもそも2人は何者?という部分にすこし触れます。
くらりす☆らいと
すてあ☆らいと
この2人に少しでも思いを馳せて貰えればありがたいです。

前半と後半でまったく文体もリズムも変わってしまいますが
素人の駄文と笑って流して下さいませ。(;つД`)

それでは、今回も長いですが、なにとぞおつきあいのほど
よろしくお願いします。<(_ _)>


3回戦 メガスパイダー
超大盛り蜘蛛 VS 虫嫌い姉弟

筋肉だるまに開けてもらった扉をくぐると、妙に湿った空気。
すてあ「なんか、こういうの嫌いだなぁ。」
くらりす「私も苦手。じめじめしてて気持ち悪いよね。」

カサコソカサコソ・・・
それ系の嫌いな人なら一発でピンとくる音が。

くらりす「ねね、す~ちゃん。今の音ってもしかして???」
すてあ「だよね?きっとそうだよね?」 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

予想通り、ぬ~っと巨大スパイダー登場。
姉弟「ギャアァァァァ━━━━━━(゚Д゚|||)━━━━━━!!!!!!」

すてあ「ねねね姉ちゃん、いつも通りさくっと殺っちゃえよ!」
くらりす「すすすす~ちゃんこそ、さっさとスライスにしてきてよ!」
すてあ「やだよ!剣がねちょねちょなりそうだもん!
くらりす「ごちゃごちゃ逝ってないでやっつけてきなさい!」(/`◇´)/(((((((((((T^T)
すてあ「ひ~。」(T^T)
おっかなびっくりで大蜘蛛に向かっていくシャイボーイ。
すてあ「うあ~やだやだやだやだやだやだやだ!
くらりす「うるさいってば!」(# ゚Д゚)
全く無機質な目ですてあを凝視する、ギガサイズスパイダー。
すてあ「一体何食べたらあんなでっかくなるんだよ…。」
くらりす「たぶん、10歳くらいの男の子が大好物だと思う。」
すてあ「姉ちゃん、おいらをなんだと思ってんの?」(´Д⊂グスン
へっぴり腰で恐る恐る双剣を突き出してみる。
ギガ「☆※〇∇‰Χ★!!
なんとも気味の悪い音を発しながら、威嚇する様に巨大な前足を振り上げる。
すてあ「わわわわわ!こえぇ!超こえぇ!!」ヽ(T▽T)/
くらりす「なにも取って喰おうって訳じゃないでしょ!
すてあ「全然取って喰う気満々なんだけど~」 つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
くらりす「(,,゚Д゚) ガンガレ!
すてあ「マジチンデチマエ
ギガ「?!◎‰Χ★!!
すてあ「あんなスネ毛ガチガチの足やだ~。」(T▽T)
ガチガチと巨大な牙がカチカチと音を立てて開閉する。
すてあ「あわわわわ…。あんなのに噛まれたら即死しちゃうよ。」
あまりの迫力に後じさりするすてあ。
くらりす「もう!まだるっこしいんだから!!」(#゚Д゚) プンスコ!
イライラ炸裂のくらりす、おもむろに石ころを乱射。
ギガ「×ケNI△☆う?
見た目とは裏腹に、面白いように命中する石ころ。
すてあ「あれ?普通に効いてるよ?」(・・?)
くらりす「あんたがもたもたしてるからじゃない!」
すてあ「最初から姉ちゃんがやればよかったんじゃ?」
くらりす「嫌よ!こんな気持ち悪いのなんか絶対ヤダ!」
セリフとは全く反対にバンバン命中して、ガンガンHPを削っていく
くらりす「あんたもぼーっとしてないで早く逝きなさいよ!
すてあ「その誤字なおしてくんないかなぁ。」(*´д`;)…ハァ
デモ市民の様に石ころを投げまくるくらりすと、目をつぶって双剣を振るうすてあ。
知性有る生き物なら途中で戦意喪失するかもしれないけれど、そこはギガクモ。
退くことなくスネ毛満載の長い足をぶんぶん振り回してくる。
くらりす「しつっこいのは嫌われるよ!
すてあ「最初から大嫌いだって言ってたよね。」
くらりす「一々揚げ足とらないの!」(# ゚Д゚) ムッキー
すてあ「そりゃ8本もあるからね。」(・_・)
くらりす「チンダライイノニ。」(--;)
ギガスパイダー「ぐz;うおぺ$%」L=`?だsr!!
断末魔の叫びをあげると、ぐったり動かなくなる。
すてあ「うえ~。剣も服もべとべとだよ~。」(|||▽||| )
くらりす「その服はやくお洗濯しないと臭いが取れなくなっちゃうよ。」
すてあ「ほんと最悪…。」
くらりす「お洗濯しないと絶対ポッケに入らないからね。」
すてあ「姉ちゃん、自分で歩く気ないでしょ?」(--;)

嫌々ながらも巨大ギガ盛りクモ、あっさり退治!!


4回戦 ブリーデン男爵
暴力家庭教師 VS 誇り高き騎士

意外(見た目の割に)とあっさりとギガスパイダーをやっつけた2人。
すてあ「なんとかかんとか、順調だよね?」
ごしごしとお洗濯中
くらりす「こんな順調なの初めてじゃない?」
すてあ「初めても何も、まだ2回しか秘密経験してないんだけど。」
パンパンと服を伸ばすすてあ。
くらりす「2回も行けばベテランよ!もうプロの冒険者って感じ?」
すてあ「はええよ。
くらりす「ささ、臭いが取れたらいくよ~。」
すてあ「この間ずっとお待たせしてるっていのうが申し訳ない。」
くらりす「ちなみに、生乾きで着たら、また臭くなっちゃうからね。」
すてあ「さすがに乾くまでお待たせするわけには・・・。」
と言う訳で、通路を進んで次の部屋へ。
なんだか瀟洒でおしゃれで気取った木扉。
あまりの雰囲気の違いに顔を見合わせる姉弟。
が、次の瞬間。
くらりす「たのも~!\(`O´θ/)オリャー!!
どっかん!
いきなり扉を蹴り開ける暴姉。
すてあ「ねねね姉ちゃん姉ちゃん!」(゚Д゚;

身なりの良さそうな男「お行儀の悪いお姫様ですね。」ヽ( ´―)ノ フッ
すてあ「またなんかややこしそうなの出たな・・・。」
くらりす「あら、私としたことが。」┐(´∇`)┌
身なりの良さそうな男が椅子に座っていた。
「これはちゃんとしつけをする必要がありそうですね。」
読んでいた本を置くと、片眼鏡のずれを直しながら立ち上がる。
くらりす「しつけとか言っちゃってくれてるけど、あんた誰よ?
身なりの良さそうな男がきちんと頭を下げる。
「これは申し遅れました。私はブリーデン男爵と申します。」
愛嬌たっぷりの完璧な会釈。
ふと顔を上げた男爵の表情が止まる。
が、それも一瞬ですぐに元のにこやかな笑顔に戻る。
すてあ「ぶりーでん??男爵??」
くらりす「す~ちゃん、どしたの?」
ブリーデン「そんな平仮名発音はやめていただきたい。」
くらりす「細かい。
ブリーデン「紳士たるもの、細かい所にもしっかり気配りが必要です。」
くらりす「それにこんなところで男爵って言ったってね~。うさんくさいもん。
ブリーデン「失敬な!自称でもなんでもそれで通せば立派な真実です。」
くらりす「立派なこと言ってるんだかなんだかわかんない。
すてあ「その名前聞いたことある気がするんだよね・・・。」(・・?)
くらりす「あれでしょ?あったかくてあま~い奴。私大好き!」(*^_^*)
ブリーデン「誰ですかそんなココアみたいな名前の人は。
すてあ「知ってんじゃん。」┐(´д`)┌
ブリーデン「ぶ・り・ぃ・で・ん!ヴァンホーデンじゃありません!」(# ゚Д゚) ムッキー
くらりす「今の発音平仮名だよね。」(*´艸`*)
ブリーデン「もう結構です。貴方たちにはスペシャルな躾をしてあげましょう!」
笑顔はそのまま、ブチ切れ気味で剣を振りかざして迫ってくるホット男爵
すてあ「わぁ!これじゃ躾じゃなくて虐待だよ!」
ブリーデン「言う事を利かない子には、これも立派な躾です!
くらりす「虐待する親って、必ずそう言うんだよね。」
ブリーデン「言ってもわからない子は身体に教えるんです!
すてあ「体罰教師!!」キ━━━━(゚∀゚)━━━━タ!!
くらりす「ここは私たちも家庭内暴力で応戦よ!」
すてあ「いつ家族になったんだよ・・・。
ブリーデン「そんな子に育てた覚えはありません!
すてあ「だからいつ家族になったんだっての!
素早い自称男爵の攻撃をなんとかかわすすてあ。
ブリーデン「思ったよりやりますね。運動神経はすばらしい!」
すてあ「良い所を伸ばすのが良い教師だよ!
ブリーデン「お褒めに預かり光栄です。」
すてあ「褒めるから、そのまま殺られてくれないかな?」
ブリーデン「代わりにちぎれるくらい伸ばして差し上げます!
激しく火花を散らす二人。足りないスキルをラウの霧バリアでカバー。
だが、技量の差は圧倒的と言ってもいいくらい。
すてあ「この人、ほんと強い!ラウさんの支援無かったら細切れになってるよ!」
くらりす「そんなすごいの?す~ちゃんも結構強いと思うんだけど。」
すてあ「基礎がしっかり出来るてる人だ!隙が無いんだよ!
必死で剣を交えるも、ほぼ防戦一方のすてあ。
ブリーデン「いつまでも逃げてばかりでは勝てませんよ。」
すてあ「そんなこと言われても!」
男爵は、のらりくらりとすてあの剣を受け流しながら、的確に隙を付いてくる。
ブリーデン「いいですね。今のは実にいい。」
本能的な反射で辛うじてかわしたすてあを嬉しそうに褒める。
すてあ「馬鹿にする!」
無理な姿勢から突っかかっていく。が、当然はじき返されて逆に上腕を斬られる。
浅手でも、血は結構出る。
くらりす「す~ちゃん!」
ブリーデン「ほらほら。自分をわきまえないからそうなる。」
剣先を揺らしながら、すてあを誘う。
さすがにそんなあからさまな挑発には乗らないが、完全に男爵のリズムになっている。
すてあ「ダメだダメだ。落ち着け落ち着け・・・。」
距離をすこし置いて息を整える。
ブリーデン「ふむ。ちゃんとわかっているんですね。では、これは?」
息を整えるタイミングを見計らって、男爵が鋭く踏み込む。
すてあ「うあぁ!」
ちょうど息を吸うから吐くに変わる瞬間を狙われたので、転がって避けるのが精一杯。
ブリーデン「まぁ、60点ですかね。」
ふむふむと値踏みするような目ですてあを見る。
ブリーデン「さ、立ちなさい。いつまで無様な恰好でいる気ですか?」
すてあ「くっ…。」
悔しさに歯を食いしばって立つ。
立ち上がるや否や、間髪入れずに男爵が斬りつける。
ブリーデン「右!右!次は左!右!そして、突き!」
まるで剣の稽古でもするかのようにすてあを攻め立てる。
あっという間に上半身が血に染まる。
ブリーデン「よく耐えてますね。立派なものです。」
無言のままやみくもに突進してきたすてあを、軽く受け流して放り投げる。
したたかに壁に打ち付けられて、起き上がれない。
ブリーデン「ですが、まだまだ躾が足りていないようですね。」
手から離れた双剣を拾うと、すてあに投げ与える。
ブリーデン「さ、立ちなさい。まだ終わってませんよ?それとも終わりにするんですか?
すてあ「はぁはぁ・・・。まだ、終わって・・・なんか・・・ないよ・・・。」
ボロボロになりながらも、何とか立ち上がって双剣を構える。
くらりすは声も出せず、じっと見つめたままだ。
ブリーデン「では、これで終わりにしますかね。
剣をしならせると、軽やかなステップで斬り込んでくる。
すてあはほとんど無意識で身体が動いていた。
正確には、見ているだけであとは身体の判断に任せていた。
思考が身体に追いついていないだけなのかも知れない。
ブリーデン「いい!実にいい!
とても嬉しそうに笑いながら、それでも次々と攻撃を繰り出してくる。
くらりす「でも、す~ちゃんなんでそんなかわせるの?
ギリギリでかわし続けるすてあに、くらりすが疑問の声を出す。
すてあ『なんでだろ?目で追いかけるだけで手いっぱいなのに・・・。』
剣にもリズムがあると言われる。同じ様なリズムで動く剣士同士は、鏡の様に息の
ピッタリ合った動作も可能になる。特に同門や同じ師匠から鍛錬を受けた場合がわ
かりやすい。
『そうか!』(☆∀☆)
『右!右!左!』
男爵がさっき取っていたリズムを、すてあの身体が覚えていたのだ。
半ば無意識でかわしていた動作を、今度は意識してタイミングを計ってみる。
トントントン・・・トントン・・・トントトン・・・
『この次だ!』
タイミングを読んで、ギリギリで斬撃をかわして踏み込む!
ブリーデン「おおっ?!
惜しくもかわされたものの、すてあの中ではっきりと理解出来た瞬間だった。
『リズムが大事なんだ。相手のリズムと自分のリズムをちゃんと測らないと。』
ブリーデン「急にずいぶんとよくなりましたね。」(・∀・)♪
本気で喜んでいるように見える。楽しくて仕方が無いと言う顔だ。
すてあ「先生がいいからね。
憎まれ口を返せるような、そんな余裕がすてあに少しだけ出来た。
ブリーデン「ふむ。いいでしょう。ならばこれで!」
恐ろしく早い踏み込みから、連続して斬撃と突きが繰り出される。
すてあは呼吸とステップでタイミングを計りながら、辛うじてかわしていく。
ブリーデン「よくかわしました!ですがこれはどうですか?」
一連の攻撃の後、さらに鋭さを増した左からの斬撃が繰り出される。
それを受け流して、いざ反撃!
『ここだっ!』
剣を受け流して相手の体勢を崩すつもりが、ふっと眼前から剣が消える。
すてあ「あっ?!
絶妙なフェイントから放たれた鋭い2段突きがすてあを襲う。
フェイントだったと気付いた時には、もう間に合わない。
左からの斬撃を受け流す体勢では、この突きはかわせない。
まさに突きに身を差し出すような格好になってしまう。
すてあ「だめだっ!
がら空きになった身体へ必殺の剣先が伸びる!
にわか仕立てでは、厳しい鍛錬を積んだ剣士の技量には遠く及ばない。
ブリーデン「もらいまs…がぼっ!
自称男爵の側頭部に、思いっ切り黄ダメの乗った石ころが直撃!
思わずよろけて後退する男爵。
くらりす「さらに出来のいい姉がいるってのも忘れてもらったら困るわぁ。」
すてあ「ナイス不意打ち!
くらりす「私が卑怯者みたいな言い方しないで!」
すてあ「いつの間にかフェードアウトしてたくせに・・・。」
ブリーデン「まったく弟も弟なら、姉も姉ですね。どんな親だったのかが知れますね。」
石ころが命中した額を揉みながら、男爵が毒づく。
くらりす「今、何て言ったの?
ブリーデン「貴方たちの親御さんはたかが知れてると言ったのです。」
やれやれと言わんばかりの顔。
ブリーデン「紳士同士の戦いに水を差すなど、言語道断です。」
くらりす「今、なんて言ったのかって聞いてんの!」
ブリーデン「子供にこんな躾しか出来ない親など情けないものだと言ったのです。」
くらりす「貴方に、貴方にお父さんお母さんの何がわかるって言うの?
     貴方はお父さんお母さんの何を知ってるって言うの!
     貴方なんかにお父さんお母さんの事を言われる筋合いなんてない!
すてあ「姉ちゃん・・・。」
すてあはこんなくらりすを初めて見た。
くらりす「怖かったけどよく抱っこしてくれたお父さん優しくていい匂いがした
     お母さん
。2人ともとっても素敵な人だった。なのに、なのに・・・。」
それ以上言葉を続けられなり膝をつくくらりす。
大粒の涙がぽとぽとと冷たい石畳に零れ落ちていく。
くらりす「貴方なんかに、絶対に言われたくない!あんな素敵なお父さんお母さんを
     侮辱するなんて、絶対に許さない!

怒りに震える姉の小さな肩におかれた、小さな手。
くらりす「すてあ?」
涙でいっぱいになったくらりすの目に、ぼやけたすてあが映る。
小さな姫の前に立ちふさがる、小さいけれど勇敢な騎士。
涙でいっぱいになった姉に向かって優しくうなずくと、男爵の方に向き直る。
すてあ「貴方がどんな立派な人かなんて知らない。知りたくもない。
    でも、お姉ちゃんをこんなに悲しませるような奴は絶対に許さない。
ブリーデン「口では何とでも言えますよ。要は、相手に認めさせる実力が全てです。」
すてあ「そうだよね。それは一つの真実だよね。」
双剣がキラキラと灯火を反射して光る。
すてあの瞳も、灯火を写してまるで熾火の様に輝く。
ブリーデン「認めさせることが出来れば、善悪は関係ありません。世の中とはそう
いう風に出来ているのです。強いもの勝ったものが全てを手に入れら
れる。
そういう事です。」
優雅な仕草で、細身の剣を構えなおす男爵。
すてあ「そうかもしれない。でも、そうじゃない答えもきっとあると思う。」
まっすぐに男爵を見つめながら、すてあ。
ブリーデン「理想論ですね。世の中はそんなお子様では生きていけませんよ?」
すてあ「僕らはまだ子供だけれど、それでも失う訳にいかないものもあるんだ。」
ブリーデン「そんなことは、相手を打ち負かしてから言うものです。」┐(´д`)┌
すてあ「なら、僕は貴方には絶対に負けない。例え命に代えても。」
ブリーデン「面白いですね。ではそれを証明すればいいでしょう!」
言うが早いか、眼にもとまらぬ速さで踏み込むと鋭い突きを連続で放つ!
くらりす「!!
思わず眼を閉じる。
鋭い剣撃に、服がちぎれ血が飛び散る。
すてあは、一歩も動かずにそれを受けた。
眉ひとつ微動だにさせずに。
ブリーデン「ほほぅ。私が急所を外すとわかっていたのですか?」
すてあ「貴方が本気かどうかくらいはわかる。」
一点の曇りの無い瞳。
どんな事があっても決して諦めることのない表情。
ブリーデン「ふふん。少しは判ったようですね。これは大したものです。」
心底感心した様にすてあを見る。
幼い顔に似合わぬくらい鋭い眼光を湛えた瞳。
いや、幼いが故にだろうか。
ブリーデン「良い瞳、良い顔ですね。それこそ真の貴族の顔です。」
先ほどとは打って変わって、とても優しい顔と声。
そして、息を飲むほど美しい動作で剣を引く男爵。
くらりす・すてあ「えっ?
ブリーデン「貴方は本当の貴族の何たるかを分かっているようです。
      高貴な血筋から受け継がれた気高さと自身の強さ、そしてなによりその
     崇高な精神を授けたご両親は十分尊敬に値します。」
剣を身体の中心に捧げるようにして、最高位の礼を示す。
すてあ「貴方は一体・・・?
その問いかけには首を振り、話始める。
ブリーデン「少し前、古都で風のうわさを聞きました。よくある話です。
とある高位の貴族が他家の謀略で打ち滅ぼされたと言うね。」
幼い姉弟をじっと見つめながら話す男爵。
無言のまま、男爵を見つめる姉弟。
ブリーデン「そしてその時まだ幼かった姉弟が辛うじて生き残ったという噂を、ね。」
男爵は二人を見つめたまま、言葉を一度切った。
すてあ「・・・そんな話は知らない。
男爵から目を逸らして呟く。
ブリーデン「確か、その名家の名はブラ・・・。
くらりす「私はくらりす・らいと。私の家名は「らいと」よ。残念だけどその家
とはなんの関係も無いわ。」
男爵の言葉を遮るように、くらりすが応える。
くらりすの決然とした表情を見て、男爵はその先の言葉を押し留めた。
ブリーデン「そうですか。ならそうなのでしょう。貴方達と境遇が似てる気がした
      のですが、悪かったですね。忘れてください。」
大仰に謝意を示すと、男爵は後ろの隠し扉のノブを引いた。
ガラガラと音を立てて、隠し扉が開く。
すてあ「なんで???」
ブリーデン「私は躾をすると言ったでしょう。それが済めばもう貴方達に用はありません。
      貴方達は誇り高い立派な紳士淑女です。私など足元にも及びません。
      これまでの無礼を平にお許しください。」
すてあ「男爵・・・。僕、貴方ととどこかでお会いしたのでしょうか?何故かそんな気がす
     るのです。それに、剣の使い方も・・・。」
ブリーデン「残念ですが、覚えはありませんね。それに剣はたまたま太刀筋が同じだっ
たにすぎません。気にする必要などないでしょう。」
その時男爵の顔に浮かんだ表情を、この先ずっと姉弟は忘れることが出来なかった。
懐かしいような厳しいようなとても不思議で、それでいてとても暖かい表情だった。
くらりす「心から感謝いたします。ブリーデン男爵。
ボロボロになり、あちこちすり切れてくすんだみすぼらしい服。
でも、くらりす自身が放つ高貴なオーラは、それを最高級ドレスであるかのように見せた。
ブリーデン「いえいえ、立派なレディとナイトへお近づきになれただけでも光栄です。」
一部の隙も無い返礼を返す男爵。
くらりす「貴方の事は忘れないわ。また会えるかしら?」
ブリーデン「光栄です、姫様。きっと、その時が来れば必ず。」
差し出されたくらりすの手に軽く口づけをすると、愛嬌たっぷりのウインクを返し
深々と頭を下げる。
お別れの挨拶だ。
すてあ「ありがとう、男爵。貴方は本当にいい先生だよ。」
ブリーデン「恐縮です、騎士さま。さ、先へお急ぎ下さい。」
男爵が手を取り、くらりすを先にドアをくぐらせる。
そしてすてあもそれに続く。
その耳元に、男爵の最後の言葉が届く。
ブリーデン「貴方達の光(light)が、いつか元の輝き(bright)を取り戻す事を心から祈って
いますよ。

すてあ「!!
振り向いた時には、閉まり始めたドアの向こうで晴れやかに微笑む男爵の姿・・・。
すてあ「あの言葉・・・、あの人は・・・。」
すてあにも、きっとくらりすにも忘れられない言葉。
一生背負って行かなければならない、そしていつか超えければならない言葉。

『行きなさい。貴方達は希望の光なのです。今はまだ小さく弱いですが、いつかきっと
強く輝く希望の光なのです。だから、決して諦めずにまっすぐ進みなさい!』

あの日、激しく燃え盛る館を脱出する時に手を引いてくれた庭師のお爺さんが、何度も
繰り返し2人に言った言葉。

『まだまだずっと遠いけど・・・でも、ちょっとづつだけど進んでいるんだ。』

通路の先でくらりすが微笑んで手を振っている。
綺麗な金髪が、灯火に照らされてキラキラと輝いてまるで黄金で出来た細糸の様に見える。
『そう、今の僕たちはほんの小さな光だけど・・・。』
小さな騎士はかつての誓いをもう一度胸に刻みなおす。
くらりす「す~ちゃん!行くよ!早く早く!
せっかちな姉が呼んでいる。
一度だけ、もう閉まってしまった扉、もう戻れない過去へ振り向いて頭を下げると
大きく息を吸って答える。
すてあ「うん!さぁ行こう、姉ちゃん!
『僕らは進むしかないんだ。何があっても光は前へ進むことしか出来ないから。』
勇敢な騎士が、守るべき姫のもとへ駆けていく。
にっこりと微笑みながら待つ、くらりすの元へ。
毒舌気まぐれわがまま暴君な姉が待っている。
無理に気丈なフリをしている、寂びしんぼうで甘えん坊な姉が待っている。
すてあも微笑みを返しながら急ぐ。
いつか煌めく星の様に、眩しく輝く光になる事を目指して。
くらりす「遅いと置いていくからね!」(*^_^*)
嬉しそうにすてあの手を取ると、くらりすが駆け出す。
前へ。
常に前へ。
どんな事があっても、ずっとその手を離さずに。
どんな事があっても、ずっと2人なら行ける。

いろいろあったけどブリーデン男爵、無事通過!
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[ らいと姉弟 ]
| 2015/03/27 17:31| TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
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りあな☆ろっこ

Author:りあな☆ろっこ
ご訪問ありまとです!
シュトラ鯖(2016年11月8日に雷鯖と蝕鯖が合弁しました)で古都の監視員(話し相手捜し)やってます。w
2017年4月22日で910になりましたっ!!
つぎは1000目指してがんばるぞ?



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